コンクールの舞台転換お手伝い経験談
ある県の吹奏楽コンクールで一度だけお手伝いをしたことがあります。
私が、やったのは、演奏団体が入れかわる際に椅子、譜面台の数を調整し、打楽器のセッティングを手伝うという役でした。
いくつか、気づいたことがございましたので、紹介したいと思います。
●手伝う人の注意点
私のほかに高校生の子達がたくさんいましたから、本番に出ないか、もしくは本番が終わった後日ということで、お手伝いに駆り出される人も多いと思います。
このお手伝いのメンバーは団体の演奏中は舞台裏で次の団体の椅子、譜面台、打楽器のセッティングを確認して、次に備えるという段取りなのですが、これが課題曲の途中くらいで終わってしまうのです。
そうしたら、そのあとなにをして過ごすかといったら、黙って演奏を聴いているのが本来の姿なのですが・・・!私と共にお手伝いをしていた高校生はバカみたいにぺちゃくちゃとおしゃべりをしていました。
すぐそばに次に演奏する団体も来ているのにおかまいなしといった様子でした。
若さゆえでしょうか。これからお手伝いをされる方はそういうことのないようにしてください。
セッティングを変える際の動きが鈍かったらそれはそれで注意されるからいいのですが、他団体の演奏中に舞台袖といえどお喋りをする行為だけは絶対にしてはいけません。
奏者に対する侮辱ですし、それをするなら、自分たちの演奏中にお喋りをする人がいても咎める権利はありません。
それから、セッティングそのものの注意を言うと、あれは打楽器をいかに素早く入れ替えられるかが勝負です。9割9分進行予定から打楽器で遅れていきますから、そこはしっかりとマークしておいたほうがいいです。
ちなみに、全国大会の入れ替えは凄まじく手際がいいです。一度しか見たことはないですが、とんでもないスピードで入れ替わります。
●演奏者への注意点
基本的には演奏することだけを考えておけばいいのですが、譜面台の高さや向きには充分注意してください。普段と違うものを使う可能性が高いですから、演奏が始まる前にしっかりチェックしておきましょう。ネジもしっかり締められているか見ておきましょう
高さを変えるやり方がわからなかったら、そばに立っている係員の高校生に手を挙げて聞けば大丈夫です。
あとですね、基本は必要なものは全部自分でもって入るのがいいのですが、持ちきれない時ってありますよね?
例えば、楽器に譜面にミュートに持ち替えの楽器に・・・となるとひとりで持つのは難しいです。
こんな団体がありました。
トランペット奏者は楽器と譜面をもって、ミュートを持って入るのは卒業生の方に任せていたようでした。
セッティングが出来次第、その卒業生の方はすぐにミュートを奏者の足元においたのですが、そのタイミングがあまりにも早かったため、役員の方が前の団体が忘れていったのだと勘違いをして急いで持って行ってしまいました。
おそらく、トランペットパート以外の方に渡したのでしょうね。
トランペットパートの方だったら「あれ?これうちのじゃないですよ」ってなりますから。
で、舞台の方では準備が整い、役員の方から最後の確認がされたとき、「ミュートがありませーん」という状態になってしまいました。
卒業生の方は「え?ちゃんと置いたけど?」と言わんばかりの表情で立ち尽くしていました。お手伝いの高校生の子がまさかと思い、前の団体のところに走っていき、事なきをえましたが、その間のトランペット奏者の緊張は大変なものだったと思います。
舞台にもって入るものを誰かに頼む場合はこの辺も注意しておきましょう。
●ちょい裏話
中学の部と高校の部、両方手伝ったのですが、どちらが大変だと思いますか?
答えは高校の部です。
1団体につき演奏時間は12分で、3分で舞台転換をするので、1団体につき計15分という形で進行していきます。つまり1時間に4団体ですね。
私がお手伝いをしたその県では高校生は12分ギリギリまで演奏をするのですが、中学生は9分くらいで演奏が終わることがあったので中学生の方は余裕をもって舞台転換ができました。
これは選曲によるもので、中学生は短めの自由曲を選ぶ団体が多かったです。
スタミナ等の配慮もあっての短い曲の選択なのかもしれませんが、個人的には時間いっぱい本番を楽しむのがいいんじゃないかなぁ・・・と思う次第です。
自由曲を選ぶ際はその辺りも考えてみてはいかがでしょうか。
●おわりに
本番の演奏も大事ですが、その裏で舞台転換や会場整理、タイマー係等いろんな人に支えられてコンクールが成り立っていますから、その人たちへの感謝の気持ちも忘れないようにしたいですね。