【銅賞脱出戦略 第1回】心構えと銅賞の立ち位置を知ろう

【銅賞脱出戦略 第1回】心構えと銅賞の立ち位置を知ろう

毎年、夏に行われる朝日新聞社主催の吹奏楽コンクール、ほとんどの人が一回目に出る大会で終わります。銅賞、銀賞、金賞をとった団体ですね。次の大会に駒を進められるのは金賞の中でも『代表』の冠を手にした団体だけ

全力で挑んで悔しい思いをする人は多いでしょうけれど、その中でも私が力になりたいのが銅賞を受賞する団体です。

数回に渡って万年銅賞からせめて銀賞・・・いや、金賞を意識した練習ができるように情報をお届けしたいと思います。

第一回目はそのための心構えと銅賞がどういう立ち位置かをご説明します。

●金賞を目指すための心構え

まず最初に私自身のコンクール歴を話すと、

・中1:府大会銅賞
・中2:府大会銀賞
・中3:府大会銀賞
・高1:府大会金賞
・高2:府大会金賞
・高3:府大会金賞
・7回目:県大会金賞代表(支部大会銅賞)
・8回目:県大会金賞
・9回目:県大会金賞代表(支部大会銅賞)

でした。7回目からは一般バンドですね。

中学の頃は結果にこだわらないでやってました。金賞をとることよりも「自分たちが楽しめたらいいっしょ♪」とでも言うようなスタンスで練習をし、銅賞と銀賞の間をウロウロしていました。当時はそれでいいと思ってましたが、やっぱりコンクールはカーテン審査ではなくお客さんがたくさんいます。

今になってですが、人に聞いてもらう以上「楽しけりゃいい」は許されないな、と思います。吹奏楽は幼稚園児のお遊戯じゃないですからね。

それに、なんといってもしっかりとした技術がある方が音楽を楽しめるんです。とにかく楽しいんです。

隣の人と音色が混ざり合うこと、パートを超えて綺麗なハーモニーが奏でられること、打楽器の刻むビートに管楽器が乗っかること、指揮者と奏者が一体となって舞台から客席に素敵な音楽を届けること、もう最高ですよね!

そんな楽しみを精一杯味わうには「楽しかったらいい」とか「いい思い出になればいいな」とか言ってちゃダメです。誰のためでもないですけど、上手な演奏をしていい結果を出したら関係者はみなうれしいです。

中学・高校だったら部員の親御さんやお友達、学校の先生方がそうですね。一般バンドなら奏者の家族や関係者みんなです。上手な演奏ができたらみんなみんなハッピーになれるんです。

だから、毎年銅賞をとって燻ってる団体は次こそは金賞を目指しましょう!

金賞を目指すってなったら練習が苦行と化すんじゃ・・・そんな風に思う人もいるかもしれません。チューニングにアホみたいに時間をかけたり音程について口うるさく指摘されたり・・・確かにそんな指導をする人もいます。

でも、音楽って本当はもっともっと楽しいものです。練習でさえも。コンクールでいい結果を出すには厳しい練習は必要ですがそれが苦行である必要はありません

音色を磨いて音程をそろえてみんなで一つのものをつくる、とってもシンプルなことです。だから金賞を目指すといっても臆さないで楽器と、メンバーと、音楽と向き合ってみましょう。

●銅賞の立ち位置

音楽に対する感想は人それぞれですから、一概には言えるものではありません。
しかし、銅賞の演奏というのはやはり早く終わってほしい12分間であることが多いです。もちろんそうじゃないのもありますが、一言で言うと下手です。

下手っていうのは
・音程が悪い
・音色がイマイチ
・アタックがきつい
・縦がバラバラ
・パート内でもパート間でも合ってない
・音楽として未熟

などが挙げられますね。奏者に原因があるものもあれば指揮者に原因があるものもあります。
できるだけ部を問わずコンクールには足を運ぶようにしているんで、いろんな演奏を聴くんですが、下手な演奏には残念な気持ちにさせられることが本当に多いです。

「練習不足だな」とか「指導者が悪いのかな」とか「どうしてこの演奏で今日を迎えてしまったんだろう」とかいろいろ思います。
一生懸命練習をしてきて、演奏してる側からするとその演奏がすべてでしょうけれど、お客さんはやっぱりいい演奏を聴きたいものです。それが中高生のものならなおさら、いい意味で期待を裏切られたいんですよ。

それから、銅賞が出ない下位大会もあります(確か奈良県大会で見たかな)。銅賞に該当する演奏がなかった、ということですね。この辺は各府県大会で絶対評価なのか相対評価なのかわかりませんが、下位大会で銅賞を受賞できるっていうのは本当に演奏がひどいことの証明です。

お客さんは退屈しますし、奏者は結果に落ち込みます。いいことなしです。

そうはいっても、保護者なんかは嬉しいですよ。こないだまでハイハイしてたような我が子が人前で舞台に立って立派に演奏してるんですからね。でも、それでもやはり結果がいい方が嬉しさは倍増します。

銅賞の演奏っていうのは舞台に立つ12分間でお客さんに退屈させる、もしかすると苦しくもさせるかもしれません。

ただ、毎年金賞・銀賞をとってる団体に比べて唯一勝ってる点があるとすれば期待値の低さです。

そんな団体の演奏には誰一人期待してません。だからこそ、いい演奏をすればアッと言わせることができますし、注目の的にもなります。だから、たまに全国大会に初出場にして金賞を受賞する団体は一気に注目されるんですね。

つまり、秘めてるんですよ。とんでもない可能性を。ただほとんどの万円銅賞団体がその可能性を開花させることなく毎年コンクールを夏に終えます。

というわけで、銅賞の演奏は周りの期待値も低いしお客さんを退屈にさせます。でも伸びしろはどこよりも持ってるんで、頑張りましょう。

●おわりに

毎年銅賞で終わってしまう方、次こそはもう少しいい賞をとりましょう。結果がすべてではないけどお客さんはやっぱり上手な演奏が聴きたいです。感動したいです。欲を言うと上手で楽しい演奏が聴けると最高です。

あなたには可能性がありますから、然るべき練習を積み重ねてすばらしい演奏を目指しましょう。そして周りをアッと言わせてやりましょう!

おわり。

モンドセレクション2015金賞受賞↓金賞の味を知ろう!


次:第1話【演奏する上での大前提】

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