【銅賞脱出戦略 第2回】楽器の状態と今ある知識を見直す

【銅賞脱出戦略 第2回】楽器の状態と今ある知識を見直す

銅賞脱出戦略、第一回目ではこれから金賞やそれ以上を目指して練習していく上での心構えと、銅賞受賞団体というものがどういう立ち位置なのか、コンクールではお客さんにどう捉えられているか、ということをご説明しました。

この第二回目からは実際に練習していくためのアレコレを綴ります。

時間を効率よく使い、効果の高い練習をするには良い状態の楽器で行うことが大事です。
また、音楽を作るにあたって必要最低限の知識というものもあります。
この記事では楽器の状態を見直すことと、練習に必要な知識をどれくらい持ってるか?ということをチェックしたいと思います。

では、まいりましょう。

●まずは楽器の状態をチェックしよう

今、あなたはどんな楽器を使っていますか?何代にも渡って使われてきた部で所有してる古い楽器でしょうか。それとも親御さんに購入してもらったピカピカの楽器でしょうか。

毎年下位大会で銅賞をとる団体や田舎の吹奏楽部には管がベコベコにへこんだり傷がついたりしたままで何年も使われている楽器があります。

管のへこみというのは奏者のイメージする音色や音程で演奏することを著しく妨げます。楽器に傷があると良い音も出ません。本来なら早く上達できたものを重りを付けたように上達速度を遅くするものでもあります。

ですので、まずはこの問題を解決しましょう。

しかし、リペアに出すとなると2つの問題にぶち当たります。

一つはお金がない問題
先ほど挙げたような団体は潤沢な資金がありませんから、凹みや傷のある楽器をすべてリペアに出すのには無理があります。ですから、どうしても直さないといけないものだけ厳選してリペアに出しましょう

もう一つはリペアに出した間に練習する楽器がなくなってしまう問題ですね。あればいいですけど、リペアに出した間に使用できる楽器はもっと状態のひどいものでしょう。

みんながmy楽器を購入できたらベストですが、そこまでは思い入れがなかったり親御さんの経済事情もありますから難しいです。
ただそれでもこれだけは買ってほしい!というものがあるんですよ。

それがマウスピースですね。 金管の場合、この↓の図の部分が凹んで綺麗な丸じゃなくなってるものはいけません。

過去にそんな状態のものを使い続けてる中学生の子を見たことがありますが、これでは上達が遠のきます。楽器はマウスピースの部分だけでもとってもとっても繊細ですから、大切に扱わないといけません。へこみはもちろん、たった一つの傷もあってはなりません。

マウスピースもいろいろ種類があるので、できたら楽器屋で試奏をして財布と相談をして決めてください。
楽器を初めて数年のうちは自分に合ったものがわからないと思います。そういう場合は初心者向けと銘打たれているものか、楽器店の人に聴いてもらいながら決めましょう。

場合によっては貸してくれる人を探す

どうしてもリペアが必要な楽器はリペアに出して、最低でもマウスピースは用意する、ということをご説明しましたが、もうひとつできることがあります。

それは楽器を貸してくれる人を探すことです。もちろん、部で所有してるものよりいい状態の楽器を、です。

私が高1でコンクールに出たときはまだmy楽器を持ってなくて、それでも部で所有してるのはコンクールに適さない、ということからOBの方が個人で所有してるものを借りました。やはりクラブ所有のものよりは吹きやすかったですね。

思うんですが、この手の団体って一年生が初めて持つ楽器が傷だらけの錆だらけで不憫極まりないです。これから楽器を練習するぞ!って意気込んでるのに凹んでたり傷ついてたり・・・年季が入ってるといえば聞こえはいいですが、しっかりメンテナンスされたものを使いたいですね。

・・・という思いをこれから入ってくる後輩に思わせないためにも学校の楽器は大切に扱いましょう
場合によっては部で新しいものを購入することを考えてもいいでしょう。

というわけで、楽器はいいものを使ってください。

現状、それが叶ってなかったらなんとしてでも楽器を揃えることに務めましょう。今の時代、SNSがありますから、個人でも組織でも世間に向けて情報を簡単に発信できます。

楽器のせいがすべてではないけれど、これまで銅賞ばかりとってきた原因には楽器の状態が悪いというのも大きく影響しています。ですから、新品でなくても良い状態の楽器をしっかり揃えてください。先生の行動力が試されるところかもしれません。

●今ある知識を見直す

本格的な練習を始める前に今どんな練習をしてるか?練習に必要な知識は足りてるか?ということも見直しましょう。

これも明確な基準があるわけではないので、私の中でだいたいでもいいからこれくらいは分かっていないと、ということを挙げてみます。

・ト音記号とヘ音記号の違いが分かる
・音名を言うときは実音だ
・楽譜が読める
・各アーティキュレーションの意味をだいたいでも理解してる
・長三和音、短三和音がわかる
・目的別にどんな練習をすればいいか判断できる
・複数人で吹いてるときに自分の音程が合っているかどうか分かる
・縦が合っていない、メトロノームからずれてる状態が分かる

挙げだしたらキリがなさそうですが、上記に挙げたようなことは奏者一人一人が分かっててほしいです。出ないとバンドやパートが抱えてる問題に対して自分で判断できずに他人任せの練習になってしまいます

音楽は感覚でやるものですが、吹きながら/聴きながら考えることもたくさんあります。

上記で挙げたものはそれぞれ記事にまとめますので、しばしお待ちください。

それから金賞を目指す、となったらコンクールのルールもちゃんと理解しておきましょう。
それもまた記事にまとめますので、しばしお待ちを。

●おわりに

第二回、いかがでしたでしょうか。
いい楽器で練習するというのは本当に大切なことです。手紙を書くときインクの出にくいボールペンを使うでしょうか?、料理をするとき刃こぼれした包丁を使うでしょうか?、パンクした自転車に乗り続けるでしょうか?・・・答えはいずれもNOです。

いい成果を上げるには使用するものの状態が良いことは必須の条件です。
まずはこれをクリアして、その次に練習に必要な知識を身につけましょう。
遠回りに思うかもしれませんが、環境を整えることは大事です。焦らず行きましょう。

インクが出にくい方はこちら↓


刃こぼれしてる方はこちら↓

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