第一希望の楽器(パート)になれなかった人へ

第一希望の楽器(パート)になれなかった人へ

毎年、新入部員のパートが決まるのは4~6月くらいでしょうか。

無事第一希望に決まる人、第2・第3希望で妥協する人、全くの希望外のパートでひどく落胆する人、様々だと思います。

第一希望の楽器になれないと、辛いですよね。
「ショック・・・」
「これからやっていけるだろうか」
「不安だなぁ・・・」など
毎年全国の中学・高校の吹奏楽部でそんな想いを抱えた人がたくさん生まれることだと思います。

そんな人たちに少しでも、心を軽くしてもらえるような記事です。以下より。

●あなただけじゃないです。通過儀礼のようなもの

心を軽くしてもらうために言いたいことはたくさんあるのですが、まずはこれ。
あなたのクラブの中では第一希望になれなかったのが、あなただけだとしても全国でみると同じ境遇の人がたくさんいます。

「一緒に活動する人に同じ境遇の人がいないと意味がないじゃない!?」

と思われるかもしれませんが、毎年たくさんそんな人が生まれては皆悩んだり苦しんだりしながらその楽器が楽しくなっていくんです。だから第一希望のパートになれなくてもどうにかやっていけるというのは保証されてると思って欲しい。

もちろん「○○じゃなくて○○がよかった・・・」という第一希望だった楽器への思いや執着が捨てきれない部分もあるでしょうけど、それによって音楽の楽しさが半減するとか人生を損するということはありません。最初のうちは受け入れられない現実かもしれませんが、時間が解決してくれるものでもあります。

入部したてではピン来ないかもしれませんが、卒部する頃には最初は受け入れられなかった楽器を立派に吹けるようになった・・・という感慨深さもあるでしょう。謂わば通過儀礼のようなものですわ。

通過儀礼(つうかぎれい、rite of passage)とは、出生、成人、結婚、死などの人間が 成長していく過程で、次なる段階の期間に新しい意味を付与する儀礼。

あなたの前に必然性があって現れた試練だと思って乗り越えてください。いくら時間をかけても大丈夫です。少しずつ向き合ってみましょう。

●メリット・・・?

メリットというのは若干の語弊がありますが、悪いことばかりではありません。あなたが2年生、3年生になったときにも当然新入部員が入ってきて、パートが決まるわけですが、かなり高い確率で第一希望の楽器になれない子が出てきます。

そのとき、その子を慰めたり励ましたり勇気づけたりできるのは他でもないあなたです。第一希望でパートが決まった人には決まらなかった人の気持ちは分かりませんからね。その部分を大いに活用しましょう。最初は受け入れられなかったけど、今では立派に演奏できるとなったらその後輩も元気が出るというものです。

楽器が決まった直後にはそんなことは考えられないでしょうけど、来年・再来年の後輩のためにも今と向き合うことは大切です。もちろんあなた自身の成長のためにもです。

また、そういう意味では第一希望になれなかった先輩もいるはずです、探し出してお話を聞いてみるのもいいかもしれませんね。

●最初は辛いでしょうけど

希望外の楽器に決まった最初の頃は辛いでしょう。たぶんクラブに行くのも気が向かないと思います。というか、私がそうでした。私、第5希望でしたからね、トランペット。


きっと、

「こんな楽器やりたくて入部したんじゃないのに・・・」

とか

「はぁ・・・○○ちゃんいいなぁ・・・・」

とか

「決めた!辞められるチャンスが来たら辞めてしまおう!」

などなど、いろんなことを思いながらネガティブオーラをいっぱいに取り巻いて重い足取りでクラブに向かうことでしょう。


最初のうちはそれでいいんです。全く魅力を感じない楽器を練習するんですからそれで当たり前です、当然の反応です。自分を卑下しないで、クラブに顔を出せる、それだけで偉い!と思いましょう。

嫌々でも楽器を練習するうちにその魅力が分かってきたり、音が出せるようになる喜びがあったり、他パートと合わせる楽しさに出会ったり、いろんな感動があなたを待っています。だから心配しないで、辛い気持ちに蓋をせずに親でも先輩でも友達でも私でもいいので、少しずつ吐き出しながらやってみてください。

どうしても気分が乗らなくて欠席する日もあるかもしれません。それでいいんです。少しづつでいいんです。「他の子はどんどん先に行くのに私は・・・」となるかもしれませんが、1日2日は問題ありません。あなたが本当にその楽器を好きになる日が来たら、もうありえないほどのスピードで上達しますから。逆に言うと、気分が乗らない時に練習してもあまり効果がないんですよね。もちろんそんな日もあるでしょうし、あっていいんですけど、「練習しなきゃ練習しなきゃ」になって自分を追い詰めてしまうのは精神衛生上良くないですし、一番ダメなパターンでしょう。

できない自分、ダメな自分、頑張れない自分を許すのもまた強さです。画面の前のあなたは弱くなんかありませんからね、安心してください(*´∀`*)

●ちょっと厳しいこと・・・言うよ?

希望外の楽器に選ばれてから、前向きに練習できるようになるまでの期間は人それぞれだと思います。
1週間で受け入れられる人がいたら3ヶ月かかる人もいるかもしれません。全く結構なことです。が、しかしできれば早く乗り越えてしまいたい期間でしょう。辛いですからね。

そこで言いたいのですが、半年~1年たってもまだ受け入れられないようだったら自分を疑ってみてほしい。疑ってみて、というのは「私、あの楽器に執着しすぎじゃないか?」とか「どうしてこの楽器がこんなに好きになれないんだろう・・・?」と疑問を持ってくださいということです。

最初の頃はね、「私は第一希望の楽器になれなかった。私は被害者だ!」って被害者面しててもいいんですよね。ですが、当然いつまでもその態度でいるのは良くないです。

過去に掲示板で、「入部から半年経ちましたが、やっぱりあの楽器がいいです。今の楽器楽しくありません」という投稿がありました。私が少し厳しめの返答をしたせいか、その投稿者によってスレッドごと削除されてしまったのですが、そのとき私が言ったのは

「あなた、まだその楽器(今練習中の楽器)のこと何も知らないじゃない?というか、あなたがその第一希望の楽器を吹くことってそんなに大事なことなの?」

でした。半年も経てば、出演したしてないに関わらず、コンクールも経験して少しであっても見聞が広がった頃でしょう。それでも第一希望への思いが捨てきれないっていうのなら一度しっかり整理して頼れる身近な人に相談してみましょう。

私の正直な心情としましては、「この楽器やっぱり嫌、というのは最低でも3年はやってから言いなさい」ってところなんですけど、3年ってもう卒部・引退しますもんね。堂々と言えないのです・・・。

●おわりに

希望外の楽器になってしまったら辛いとは思いますが、できれば早いうちに今の楽器を好きになりたいものですね。

というわけで、楽器別にその魅力を語る記事を作成しようと思います。時間がかかりますが、出来次第、ここにリンクを貼っていきますので、ご都合よろしければ読んでみてください。
希望外だったのになってしまった人を対象に書くので、その前提でお読みください。ちなみに結論はどの楽器も同じところに持っていきます(笑)お時間かかりますが、よろしくお願いいたします。

では、ゆっくりぼちぼちやっていきましょう!

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑ PAGE TOP