訪問先で最高の演奏を披露する方法(周到な用意)
吹奏楽部では年に何度か地域に出かけて演奏する機会があります。
訪問演奏・依頼演奏の場合、ホールで行うコンクールやコンサートと違ってどんな会場なのか分からないことが多いですよね。
会場の広さは?舞台の幅は?お客さんの雰囲気は?お客さんとの距離は?屋内なの屋外なの?屋根はあるのないの?・・・などなど、分からないことだらけです。
そんな状態では練習の成果をお客さんの前で最大限発揮するのは難しいですよね。
あなた「なら、どうすればいいの?」
以下よりご説明しましょう!
●事前に知れる限りの情報を仕入れておく
訪問先で練習の成果を発揮できなかったり、思わぬ事態に見舞われるとき、原因の多くは”訪問先を知らない”ということではないでしょうか。
私も中学生のころは、幼稚園で演奏させていただく機会があったとき当日行ってみて「えっ!?こんなに狭いの!?」と思ったことがありました。
そういう経験をした人はたくさんいるでしょう。訪問先で歌って踊っての企画を盛り込んだステージを披露する場合は事前に情報がないと特に困るでしょう。
ではどうすればいいか。簡単な話です。
事前に部員数名で訪問して必要な情報を仕入れておく
のです。
●必要な情報とは・・・?
いろいろありますが、ひとつずつ簡単に説明していきます。
①楽器運搬のトラックを止める場所
トラックじゃない場合もあるかもしれませんが、トラックを利用する場合は訪問先でトラックを止めてもらう場所を確認しておきましょう。
保育園にしろ小学校にしろ高齢者施設にしろ大きなトラックが敷地内に入ってくるというのは頻繁にあることではありませんから、当日になって運転手の方が困ることのないよう、事前に把握しておきましょう。
②舞台は屋外?屋内?
これも重要です。屋内だった場合は普段とたいして変わりませんが、屋外だった場合は風が吹いて譜面台が倒れるリスクや雨が降る可能性もあります。地域のお祭りで演奏するときなんかは外でやることが多いようですね。
外の場合は、楽譜を止めるためのクリップや、万が一の事態が発生したときのために楽器を保護する布を持っていくなどの対策を立てましょう。強風が吹いたら場所によっては譜面台が倒れるだけじゃなく砂埃が舞うこともあります。十分な用意をしておきましょう。
③舞台の幅はいかほど?
ホールではありませんから、舞台が狭いということが往々にしてあります。そんなとき、雛壇(金管)は立奏になるのか、譜面台は一人一台置くほどの余裕があるのか、ダンスは余裕をもって踊れるのか、などの疑問が出ますよね。
しっかりと測って、対策を立てましょう。打楽器も普段のようには置けないかもしれません。小学校の体育館等は広いですが、なにがあるか分かりませんから、そういう場合でもしっかりと寸法を測っておきましょう。そして部員に伝えましょう。
④楽屋として使う部屋はどんなの?
訪問先によってどこを楽屋として使うかはさまざまだと思いますが、どこにあるのか、何部屋あるのか、広さはどのくらいか、そこで音出しをしていいのか、くらいは確認しておきましょう。
直接演奏とは関係ない部分ですが、円滑に準備をするには大切な情報です。
⑤本番で予想されるアクシデント
これは特にないと思いますが、保育園や幼稚園、小学校なら幼い子が演奏中もずっと暴れていたりすることもあり得ます。
ん~でもこれは確認しておかなくていいですね。演奏しながらはしゃぎまくる幼い子を見るのも楽しいですし、特に問題ないでしょう!
⑥訪問先の方々が喜ぶこと
ここまでは、演奏の準備に関する話だったのですが、演奏そのものや舞台企画に役立ちそうな情報があれば聞いておきましょう。
保育園、幼稚園なら「子どもたちは最近●●の歌ばかり歌っています」とか高齢者施設なら「●●をすると喜ばれるんですよ」など、なにかしらあると思います。
訪問先の先生や職員さんに聞いてみましょう。「今どきの子ども・高齢者はこんなのが好きかな?」と予想して選曲や企画を考えるのもいいですが、やはりお客さんのことをよく知る人物に直接聞くのが一番確実です。
●これらの情報を入手したら・・・
訪問演奏先に行ってこれらの情報を入手したら、他の部員にこのことを伝えましょう。
それによって準備物や心構えが違ってきます。学校でリハーサルをする場合はこれらの情報を踏まえたより内容の濃い、充実したリハーサルをすることができます。
●誰が行くの?
上記のように予めいろんなことを確認しに行くのは誰がいいのか。
誰でもいいです。
でも3年生と2年生とか若しくは2年生と1年生のように、次の世代に次いでいけるように考えていきましょう。だいたい2~3人でいいと思います。あまり大勢で行っても訪問先の方が困りますからね。
私が高校の時は企画部員(舞台の進行や企画を考える係の人)が行ってましたが、誰でもいいでしょう。
予め、電話でアポイントをとってから行くようにしてくださいね。あちらにも都合がありますし、こちらも授業が終わった後の部活の時間に行くことになるでしょうから、しっかり日時を決めておくことは重要です。
●おわりに
冒頭でも申しましたように、訪問演奏、依頼演奏のときは行ってみるまで分からないことが多いです。ですが、やはりそれでは最高の演奏は披露できそうにありません。
お客さんに喜んでいただくためにも、自分たちが練習の成果を出しきるためにも、予め情報を入手し、対策を練ることを怠らないようにしたいですね。
こういった行動は訪問先の方にとっても「しっかりと考えてくれているんだな。これは期待できるな」と大変うれしいものです。訪問演奏が立て込むシーズンには大変かもしれませんが、是非やってみてください。
なにかひとつでも参考になりますように。