楽器紹介のやり方(高齢者向け編)
依頼演奏・訪問演奏では楽器紹介をするクラブは多いと思います。訪問先は幼稚園や小学校、高齢者施設ということもあるので、行先に応じた楽器紹介をしたいものですね。
このページでは高齢者相手の場合の楽器紹介について、やり方をご説明します。
子ども向けの楽器紹介について知りたい人はこちらをどうぞ。
では記事に入ります。
●高齢者向けの楽器紹介を考える前に・・・
「楽器紹介」という企画は文字通り、「楽器を紹介する」内容でお送りするコーナーです。企画の中身の案を練る前に考えてほしいのが、「そもそも高齢者相手に楽器紹介をする必要があるのか?」ということです。
園児や児童相手に楽器紹介をするのは、ただ単純に楽器について知ってほしいという想いと、できればこれをきっかけに吹奏楽に興味を持ってほしいという気持ちがありますよね。園児や児童にとって人生はこれからですから、楽器紹介が役に立つ機会は後にいくらでもあるでしょう。
ではこれが高齢者ならどうか。もちろん楽器を知ってもらい、興味を持ってもらえたら私たちにとっては嬉しいことですが、高齢者の側に楽器紹介という企画はニーズ(要望)があるのかを考える必要があります。
私もキーボードを打ちながらいろいろと考えたのですが、高齢者が見たいのは巧みに練り上げられた企画ではなく、一生懸命に頑張る若者の姿だと思います。ですから、少々ピントがずれていてもお客さんである高齢者のことを精一杯考えた結果の企画なら楽器紹介でなくてもいいのかな・・・と思います。
ま、正直わざわざ楽器を紹介する必要はないと思います。
●高齢者向けの楽器紹介のやり方
ここから具体的な楽器紹介のやり方に入っていきましょう。やらなくていいでしょとか言いつつ・・・
楽器紹介のやり方(園児・児童向け編)と同様にお客さんである高齢者に狙いをすました内容のものを考えればいいでしょう。
ひとつ注意してほしいのは、楽器を紹介することよりもお客さんを楽しませることに焦点を当てることです。園児・児童向けの場合は楽器を紹介することにも気を回しますが、高齢者相手の場合はその必要はないように思います。
はっきり申し上げますと、今になって楽器のことを知ってもあまり意味がないのです。私はそう思います。
ならば、楽器をつかった企画で楽しんでもらおう!というのはいかがでしょうか。
楽器紹介という形は崩さずに各パート楽しんでもらえることを披露すればいいと思います。例えばサックスパートなら4パートで伴奏をして一人が演歌を歌うとか、演歌が歌えなくても演歌を演奏するとか、もしくは曲に合わせて特技(ジャグリングやダンス等)を披露するとか。
園児・児童向けの楽器紹介では司会で楽器の特徴を説明しますが、高齢者がお客さんの場合はあまり長々としなくていいでしょう。マイクを使うのか否か、という問題もありますが、実は司会者の声がよく聞こえていない人というのもままいるんです。だから、説明は淡々と済ませて演奏や歌を披露すればいいと思います。
例えばこんな感じ。以下。
みなさんこんにちは!私たちが持っている楽器はサックスといいます。左から、ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックスといいます。右に行くほど音が低くなるんですよ~。それではみなさんがよくご存じの演歌をサックスの伴奏に合わせて歌わせていただきます。
ーーー演奏ーーー
ありがとうございました。
こんな感じでいいと思います。あくまで例ですので参考になるところがあれば参考にしていただく感じでよろしくお願いします。
・・・楽器紹介よりも曲当てゲームとかでいいと思います。それこそ演歌にして(´・ω・`)
●おわりに
実はわたくし、大学は福祉系のところに通っていたという過去がありまして、実習も高齢者施設にいったので、ほんの少しだけ高齢者のことに関しては分かっているつもりです。
そんな私から言わしていただきたいことがひとつ。以下。
施設には通所や入所等さまざまなものがありますが、入所施設(ずっとそこで寝泊りしておられる)の方は毎日特に刺激のない生活を送っておられます。施設の職員が企画する行事や家族が会いに来てくれることを楽しみにしておらえる方もいますが、その一方で家族には一切来てもらえず、特に他人との会話もなく過ごしておられる方もいます。
そんな中で中高生の吹奏楽部の方が来てくれるのはとってもとってもありがたいことで、本当にただ来てくれるだけで嬉しいのです。高齢者施設というのは世間とは少し離れた、隔離されているような雰囲気がするところもありますから、外部から来てくれるのはとっても嬉しいことなんです。
このページでは楽器紹介のやり方について提案しましたが、高齢者を元気づける演奏ができたらとっても素敵だと思います。
元気でいたいおじいちゃんにはこれ↓
元気でいたいおばあちゃんにはこれ↓