楽器紹介のやり方(児童・園児向け編)

楽器紹介のやり方(児童・園児向け編)

幼稚園や小学校に訪問演奏に行くと、ただ演奏するだけじゃなく、楽器紹介の時間を設けるバンドが多いと思います。

ほとんどの園児や児童は吹奏楽で使われる楽器を生で見たり触ったりという経験は非日常のことですから、楽器紹介という企画は大変ウケます。みんな興味津々の姿勢できいてくれます。


楽器紹介のやり方に関しては各バンド思い思いの方法でやってることと思いますが、

「こんな感じでいいのかなぁ・・・(o・ω・o)?ハテ?」

とか

「もう一工夫できないだろうか(;´Д`A ```」

もしくは

「今度初めて楽器紹介をするんだけど、どんな感じでやったらいいのか分からない!(>▽<;; アセアセ」

という人に読んでもらえればと思います。

●楽器紹介のやり方

楽器紹介のネタを考える際、まず必要なのは割り当てられる時間を把握すること。それによって全パートやるのか、いくつかのパートだけやるのかが変わってきます。


どっちの場合でも全パート、楽器紹介のネタは用意しておきましょう。全パートできる時間があるなら、全パートしたらいいですし、一部のパートしかできないならどの楽器を紹介するかはお客さんに決めてもらうといいです。


その方が会場が盛り上がりますし、楽器紹介のネタを考えるという行為がそれぞれの部員にとって他人に自分の楽器について説明することの練習になります。

「他人に楽器を説明する機会なんてそんなにないよ」と思われるかもしれませんが、「物事を他人に説明(もしくは紹介)することの練習になる」というところに意味があります。

やり方にもよりますが、楽器紹介は(特に小さい子が相手の場合)往々にして予定の時間をオーバーすることが考えられますから、それも込みで計画を立てましょう。

●基本的な注意

では、基本的な注意点に入っていきましょうか。


会場にもよりますが、紹介するパートは前(指揮者のとこ辺り)に出ましょう。自分の位置(トロンボーンなら雛壇の上とか)からではお客さんから見えにくいですし、声が届きにくい可能性もあります。まぁ声に関してはマイクがあるなら即解決ですが。

基本的なことですけど、紹介するパートは前に出ましょうね。


で、前に出るという基本を押さえたら次に考えたいのが何人出るか。これもパートの人数やどんな方法で楽器紹介をするのかにもよりますが、シンプルな方法をとる場合は2人でしょうかね。

※シンプルな方法はあとで


ここで気を付けたいのが、何もやることがない人は前に出ないということ。客の立場からすると前に出てきた人は皆何かしらの役割があるものだと無意識に思っています。そこに何もしない人がいるとそちらに気を取られ客の注意が散漫になります。

「あの人が喋ってあの人が演奏・・・
・・・じゃああの人は一体・・・ヾ(゚0゚*)ノアレアレー?」

ということになります。



ここまでで

①前に出てきて紹介する
②役割のない人は出てこない

という基本を押さえたので、ここから詳しい楽器紹介のやり方に入っていきましょうか。

●具体的な楽器紹介の方法、やり方

以下の4つを紹介いたします。

①シンプルな方法

②アニメキャラを入れる

③簡単なお遊戯を取り入れる(指遊び、手遊び)

④楽器を吹かせてあげる




まずは先ほど出てきた

①シンプルな方法

先にも挙げたとおりこの場合、前に出るのは2~3人で充分。サックスの場合は3~4人もアリ。(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン各一人で)あ、あとクラリネットも。(E♭クラ、B♭クラ、アルトクラ、バスクラ各一人で)
一人が口頭で楽器の説明をし、もう一人と一緒に演奏する。これで終わり。演奏はユニゾンではなくハモリましょうか。

この方法は特に喋りが上手でもなければ淡々と説明して淡々と演奏して割と早くに終わります。

では私、トランペットをやってきたので、トランペットのパート紹介として文章を考えてみましょうか。


はーい皆さんこんにちは~!この楽器なんだかわかるかな~?え~なになに~?じゃあみんなでせーので言ってみよっか~。

せーのっ!?(ここで「トランペットー!」とか「らっぱー!」とか返ってくる)

そうだね~、この楽器は「トランペット」っていいマース。みんなのなかに言ってくれた子もいたんだけど、「トランペット」以外にも「らっぱ」って呼ばれたりしてマース。

あそこにあるカタツムリみたいなぐるぐる巻きの楽器の後ろで吹いてるから次の曲のとき注目してみてね~。

トランペットはとーってもかっこいい音が鳴るんだよー。ではみんなにその音色を聴いてもらいたいと思いまーす。


           ----演奏ーーーー


なんの曲か分かったかな~?そうでーす。●●●でーす。みんなありがとー。トランペットでしたー。




みたいな感じ。淡々と終わるとはいってもお客さんとのやり取りも楽しみたいものです。園児や小学校の低学年の子たちはかなり食い気味で答えてくれるので、こちらからの問いかけに対し、「返事がなかったらどうしよう・・・」などの心配はいりません。


で、上記はあくまで例え。だよー調で話せなかったらですます調でもOKですが、フレンドリーな感じでいきましょう。こんな↑感じでいいと思うんですが、もし一工夫加えたいな、と思ったら、以下のようなのはどうでしょう。



Ⅰ、訪問先の先生を説明に組み込む

「トランペットはとってもかーっこいい音がしまーす。」

と言うよりは、

「トランペットは園長先生みたいなとってもカッコいい音が鳴りまーす。」

とか言った方が園児からは「園長先生カッコいくなーい!」とかツッコミが入ったりして周りの先生方も笑いに包まれます。

これはどの楽器でも使えます。ホルンなら優しい音とかフルートなら綺麗な音とかチューバなら男らしい音とか。まぁ形容詞はなんでもオッケー。

女性の先生の名前を出して、「●●先生みたいなきれいな音が鳴りまーす」とか言っても園児が必ずツッコむのでヨシ。



Ⅱ、楽器の役割を身近なものに例えて説明

例えばクラリネットの楽器紹介の時、「クラリネットはメロディをたくさん担当する楽器です。」と言っても、なかには「メロディって何?」という子もいるかもしれません。

そういうときに、「クラリネットはラーメンに例えると麺になりまーす。一番メインのところを担当する楽器です。」とかいうと、「メロディの担当が多い」という事実をそのまま言うよりは分かりやすいです。

これもホルンならスープとかユーフォはメンマとかチューバは器とか・・・まぁ何でもいいんです(笑)それとなーく伝われば。

②アニメキャラになりきる

楽器紹介の際に子芝居をいれるとこっちも楽しいですし、園児・児童も結構食いついてきます。

これはキャラになりきって楽器紹介をするというよりは、楽器紹介の中にそういうキャラを登場させる、というやり方です。

いきなり「みんな!おれはルフィ!フルートってとってもきれいな音が出るんだぜ!」とか言っても違和感満載ですから、おそらく園児・児童もポカン顔です。


そうじゃなくて、最初の司会の方は先ほどの①シンプルな方法みたいな感じでさらっと済ませて曲を演奏する前に、「みんなの知ってるアニメのキャラクターが出てくるかもしれませんよ~」とか振っておきます。


で、曲の演奏に合わせて袖で待機していた部員がそのキャラにちなんだ何かを披露。これで子どもたちには大ウケ。


これをやる場合は準備をしっかりやっておきましょう。誰が見ても特定のキャラに見えるようにするには衣装が必要です。

衣装なしに急になりきっても「あれ?あのおにいちゃんどうかしちゃったの(?_?)」となってしまいます。


これをやるときはいきなり演奏をしてキャラが登場!子どもたちが食いついてきたところで楽器の説明、というのもアリ。・・・説明を聞いてもらえるか分かりませんが。

③簡単なお遊戯を取り入れる(指遊び、手遊び)

相手が園児の場合はこれもいいですね。一緒に参加してもらえます。

むすんでひらいてとかおいでおいでパンダとかです。私も詳しくはないのでよく知りませんが、園児でもすぐにできるものがいいです。

自身が園児だった頃を思い出したり、ネットで調べたりして、ネタを考えてみてください。紹介する楽器で伴奏をして遊ぶといいです。


絵描き歌を披露するのもいいですね。

④楽器を吹かせてあげる

これは楽器に注目が集められます。

やり方はそのまま。司会で「誰か吹いてみたい人いませんか~?」とか言って手を挙げた子の中からテキトーに当てて前に出てきてもらい、吹かせてあげるといいです。

吹かせてあげるのが難しいと思ったら、子どもを前に呼んでその楽器に応じた方法で楽器紹介をします。


例えばチューバなら、背比べをさせてあげるとか、持たせてあげる(もちろん横で支えてあげる)。

で、この件の後に何か演奏して会場を湧かせます。

●おわりに

次がとっても大切な話!!


訪問演奏にて楽器紹介となるといかにして分かりやすく楽器のことを伝えるか・興味を持ってもらうか、というところに焦点を当てがちですが、ちょっとずれてると思います。大切なのはいかに楽しんでもらうか・笑ってもらうかです。

なぜなら、幼稚園や小学校、もしくは高齢者施設に訪問演奏に言った場合、お客さんは楽器のことを知りたい人の集まりではないからです。

●●中学校、●●高校の吹奏楽部の皆さんが演奏しに来てくれるというイベントを先生・職員の人によって設置されたから受け身的に鑑賞するだけであって、能動的に楽器について知りたい!と思う人の集まりではないのです。だから大切なのはいかに楽しんでもらうか・笑ってもらうかです。

相手が園児・幼児なら、楽器の知識は得られなくても「吹奏楽って楽しいものなんだ。また聴いてみたいな」と思わせられたら十分及第点です。

いろいろ考えてみて各パートのカラーが最大限出るように工夫してみてください。似たような楽器紹介ばかりやってもお客さんは暇なだけです。



こうした楽器紹介を見た子たちのなかに将来吹奏楽部に入る子がいたとして、その子がまた、園児・児童に向けて楽しげな楽器紹介をすると思うとなんだか素敵ですよね。


いろいろ書きましたが、なにかひとつでも参考になればと思います。

役になり切りたいときはこちら↓

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