第3話【練習の下地を整えよう!②】

第3話【練習の下地を整えよう!②】

前回はドイツ音名を覚えよう!という話をしました。これで、練習時のコミュ二ケーション円滑に行くようになった(?)と思います。

今回も【練習の下地を整える】をテーマにお送りするわけですが、今回は前回の内容以上に最終的な演奏の仕上がりに関わってくる内容です。

しっかり読んでものにしていただけると幸いです。

●銅賞の原因を少し考えてみる

銅賞受賞団体の演奏っていうのはまぁお世辞にも上手いとは言えません。


突然ですが、想像してみてください。あなたが小料理屋に行ったとしましょう。出された品を口に入れるとあなたは【不味い(`A´)マズー!!ペッ!!】と感じました。さて、何故でしょう?


答えはいろいろ考えられます。材料が腐っていたとか、味付けが滅茶苦茶だったとか、調理器具が揃っていなかったとか・・・まぁ他にも細かく挙げだせばキリがないでしょう。ここは強引ですが、【シェフの舌が馬鹿だった】ということにしてください。つまり、提供する側のシェフの舌がそもそも狂っていたということです。


で、これと同じことが、コンクールの舞台でも起こっていると私は思っていまして、舞台で奏でられた演奏を聴いて【メッチャ下手やん】と思ったのは何故でしょうかってことなんですけど、奏者が下手な演奏をしていると気付いていないんですよね。

厳密に言うと、気づいているでしょうけれど、じゃあどこがどう悪いのか、それを改善するにはどうすればいいのかを分かっていない、ってことなんですわ。というわけで、先ほどの例になぞらえて強引に解釈すると舞台上から放たれた演奏が下手だった理由は【奏者の耳が馬鹿だった】ということでいかせてください。

この流れから、今回の記事でお伝えするのは、(少しでいいので)







耳を肥やそう!!!






ってことです。

考えてみれば、ちゃんとした調理師が作っているお店なら【自分の舌で美味しいと感じてるからこそ自信をもってお客さんにその料理を出せる】んですよね。

ですから、あなたにも最終的には【自分たちの演奏は素晴らしい!人に聴いてもらうだけの価値がある!】という想いをもって本番に臨んでもらわねばなりません。

●音程を知りましょう

だいたいありがちなのが課題曲にマーチを選ばれた場合、ここ近年はファンファーレの後にクラリネットが練習番号Aからメロディを吹くパターンが多いですが、そこを聴いた瞬間に「うわ!音程悪っっっ!!」となります。

演奏のいたるところで音程の悪さが露呈されるわけですが、あからさまに悪いままでも平然と演奏するっていうのをまずはやめていただきたい。ただ、今のレベルとしては正直「音程ってなんですか?」って状態だと思うんですよ。私も中学の頃は顧問の先生に「音程直せ」って言われても正直よく分かっていなかったです。しかも普段は言わないくせにコンクール前になると急に音程の指摘をされたので、頭がパニックでした。

と、少しそれましたが、音程に対するシビアな感覚というのは早いうちから身につけておいたほうがいいです。もちろん、「音楽を楽しむ」だとか「お客さんの耳に届ける」だとかそういうのもいいんですが、じっくりと【音楽を作る】という意味で真摯に音楽に向き合える体づくりもしておくべきです。


で、【音程】というものに対してまだピンと来ないと思うので以下に言うことを一度実践して欲しい。それは、


なんでもいいので、




馴染みのあるメロディーを友達と半音ずらして同時に吹く




です。

友達がいなかったらピアノを使って一つ隣の鍵盤を一緒に弾いてみてください。
やればすぐに分かりますが、非常に気持ち悪いです。聴いてられません・・・・・・が、しかし!!







・・・ってことなんですわ。いや、もちろん半音違うくらい狂った音程はしていませんが、こんな例えを出してしまうくらい酷い音程で演奏してますよねってことです。


同じ音を二人で同時に鳴らした時に生じる音と音の波に耳をすましてください。このウニョウニョした波が一切ない状態で複数人でメロディを吹けるのが理想です。

●吹きながらなんて聴いていられない・・・?

メロディを吹きながらその一音一音の音程が合っているかどうかなんて最初のうちは聴いていられないと思います。慣れたらすぐに「うわっ!音程ワル!」ってなりますけど、最初のうちは音に意識を集中してても難しいでしょう。

ですから、その訓練をするためにある練習をしてもらわねばなりません。


それが・・・





       ロングトーン





ですね!天下のロングトーンです。二人以上で音階を一音ずつじっくり伸ばしてください。ロングトーンなら音程がどうなっているのかちゃんと聴けますから、吹きながら耳をすまして音程が合っている気持ちよさというものに浸ってください。

そうです、これです。



音程が合っているのは
気持ちいいことだ!




という感覚を身につけてください。そうすれば自然と音程が合っていない状態に嫌悪感を抱くようになります。今はその嫌悪感すらない状態ですからね
。だから音程が酷いままで演奏が出来てしまうんです。

音程というと、もちろんチューナーが出てくるんですが、こちらの記事も参考にしてください。複数人でロングトーンをする前に一度声でロングトーンするというのもアリです。効果的です。

●伴奏の音程

ここまでは主にメロディ編、複数人が同時に同じ音を吹く場合について述べましたが、伴奏も同様に音程には気をつけねばなりません。

伴奏といえば和音ですよね。(メロディでもありますが)

試しにドミソの和音とかやってみてくださいε=┌(;・∀・)┘ヤッテミヨ!

ピアノでドとミとソをを同時に鳴らすやつですね。あれは長三和音(ちょうさんわおん)といいます。

くどいようですが、銅賞受賞演奏はとにかく音程がひどいですからね、メロディだけじゃなく伴奏の音程もあったもんじゃありません。言ってみれば汚いもの(伴奏)の上に汚いもの(メロディ)が乗っかっていますからね、まずはその辺をご自覚いただきたい。

和音の方に関してはたぶん毎日使ってる教本かなにかにそういうメニューがあるでしょうから、じっくりとそれをやってください。

合奏の場でパッとそういう練習ができたらいいですが、初めのうちは「隣の人と音程を合わせろ」とか言われても意味不明ですからね。隣の人と合っているかどうかなんてよくわからないです。

ですからポイントは二つ。よくわからなかったら

①少人数でやる
②声に出してみる


を実践してみてください。

文章であらわすのは難しいですが、和音でも音程が合っていないと音と音との波は聞こえます。これをなくすように努めてください。まっ感覚的なものなんでやってみれば分かると思います。最初は3人とかの少人数でやることをオススメします。

●まとめ

今回は音程について話しました。別に今すぐ音程を合わせなさいとかよくしなさいってことではないです。記事タイトルのとおり、練習の下地を整えるんです。まだ技術的にはこれまでと同じで大丈夫。

しかし、演奏をしながら音程が合っているかどうかを気にする感覚は身につけてください。

感覚というのは毎日の研鑽から磨かれるものです。音程が合っていない時に「気持ち悪いな」と思えたらそこからは自然と「じゃあ音程を合わせるようにしよう」「吹いてて気持ちよくなるようにしよう」という方向にエネルギーが向かいます。


音程を気にすることで、今までの演奏とは少しずつおさらばしましょう。

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