課題曲の決められ方

課題曲の決められ方

(2016年時点)近年は毎年1月の終わりごろにその年の課題曲が発売(発表)されますね。CDを買う人やYOUTUBEで聴く人などさまざまでしょう。youtubeでは聴いて欲しくないですが。


吹奏楽に慣れ親しんで、いろんなことが分かってくると、「今年の課題曲はこういう感じか・・・ふむふむ」などと自分自身の感想や思いを持つのですが、中高生は受け身的に課題曲を聴きがち(かな?)。曲そのものに疑問を持つこともなく「わぁ!かっこいい!」とか「この曲吹きたい!いい曲だわ!」とか健気にも素直に思うことでしょう。まぁそうじゃない人も当然いますが。


私もそうでした。作曲者はどんな人だろう?とかどんな思いで作曲されたんだろう?とかそんな疑問は皆無。ただただ参考演奏を聴いて練習するだけです。


そんな人は多いと思いますが、1年の中でもかなりの時間を費やして練習する曲です。その課題曲の決められ方も知っておきましょう。なにが変わるというわけではないですが、知らないよりは知ってる方がいいように思います。


ちなみにこの記事を読んでいる中高生のあなたでも課題曲の作曲者になれる可能性はあるんですよ(ー_ー)!!

●課題曲はどうやって決められるか!?

全日本吹奏楽連盟のホームページを見てもらえれば一発だと思いますが、毎年の課題曲は一般公募の中から選ばれます。


一般の人たちが自分で作った曲を連盟に送るんですね。委嘱を除いてはこの方法がとられます。で、1次審査、2次審査を経て3次審査で曲が決定します。


私も詳しいところまでは知りませんけど、連盟が出している作曲公募要項によるとそのようです。


一度だけ応募したことがあるのですが、見事に一次審査で落ちました。正直、作曲を舐めてました。

2008年までは朝日作曲賞という枠の中から1曲を朝日作曲賞受賞曲、そのほかの4曲を課題曲にするという形だったのですが、2009年から全日本吹奏楽連盟作曲コンクールというものが新設されました。


これにより課題曲5曲のうち、1曲は朝日作曲賞受賞曲、3曲が朝日作曲賞に応募されたけど受賞できなかった曲(入選曲)、最後の1曲がこの全日本吹奏楽連盟作曲コンクールで1位をとった曲になりました。


大雑把に言っちゃうと課題曲の決められ方はこんなとこです。

●課題曲公募の詳細

いつ頃かは忘れましたが、毎年全日本吹奏楽連盟から「第●●回朝日作曲賞作曲公募要項」というものが出されます。確か冬頃。全日本吹奏楽連盟作曲コンクールの応募要項も同時に発表されます。2012年は12月6日に発表されました。



受け身的に課題曲を聴いている人は特に気にも留めないでしょうけれど、一応課題曲には細かい決まりごとがあるんです。だから毎年、6分も7分もする曲(←昔はありましたけど)やガチガチの現代曲(Ⅴは除く)は選ばれないようになっています。


以下がそのルール


まずひとつめが大前提の吹奏楽曲であるということ。吹奏楽コンクールで演奏される曲なのにヴァイオリンやチェロがパートに入ってたらおかしいですからね。
そして、全部門を対象とした曲です。つまり中学、高校、大学、職場一般です。


次のルールがちょっと問題!これ、募集要項にも太字で記されています。


・楽器を初めて1~2年程度の生徒でも演奏できる技術的にやさしく、親しみやすい旋律のもの。

高度な技術を要するパッセージ・困難な音域・特殊な奏法は避けること



です。


今に始まった話じゃないですが、毎年この賞に送っている方々は「親しみやすい旋律とはなんぞや?」と頭の上に?マークを浮かべていることでしょう。

とっても抽象的ですよね。対象が音楽である以上、感じ方は人それぞれ。誰にでも親しみやすい旋律なんて絶対的なものはないはずなのですが、募集要項にはこんな↑ことがかかれてるんです。


高度な技術をようする~・・・はまぁ常識の範囲内というか、今までの課題曲を参照してみればだいたい理解できますが、「親しみやすい旋律」は本当に謎。

とはいえ、吹奏楽を始めたばかりの人でも課題曲にとっつきやすい(?)のはこうしたルールが公募要項にあるからなのかもしれません。

他には

・未発表未出版でオリジナル作品であること。

・演奏時間は3~4分程度とする

などの決まりがあります。


だから毎年ぶっ飛んだ課題曲は出てこないんですね。このようなルールがありますから当然そんなのは作曲できても誰も送りません。最初から選ばれないというのが分かっていますから。


それぞれの楽器の音域も公募要項に指定されていて、「この音以上は出さないように」というのが、連盟から予め示されています。・・・がその音域をはみ出ていることもしばしばあります



まぁ要項が公開されたら一度見てみてください。


応募資格ありませんから、誰でも応募できます。極端な話、吹奏楽に関わったことがない人でも楽器を吹いたことがない人でも応募は出来ます。過去に課題曲に選ばれた中で最年少は高校生でした。2005年のⅣサンライズマーチの作曲者で佐藤俊介という方です。


だからこの記事を読んでる中高生のあなたでも可能性はあるんですよ。


ちなみに、朝日作曲賞を受賞すると100万円もらえます(2013年時点)。受賞できなくても入選すると50万円もらえます。

全日本吹奏楽連盟作曲コンクールも1位をとると100万円もらえるようです。2位は20万円(;一_一)(2013年時点)

●おわりに

毎年12,1月は課題曲の到着が待ち遠しいですが、それまでに課題曲にかけた人へ思いをはせてみてください。

サックスを上達したい方はこちら↓

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