コンサートのアンケート回収率を上げる方法

コンサートのアンケート回収率を上げる方法

コンサートのプログラムにアンケートを挟んでお客さんにお渡しする団体は多いと思います。大切なお客さんの生の声・意見を聞ける貴重な機会ですから、しっかりと記入してもらって回収したいものですね。

しかし、アンケートを渡しているのにあまり返ってこない、次のコンサートに活かせないという団体もあるのではないでしょうか。


アンケートの回収率を上げる方法をお教えします。

●アンケートの回収率を上げるための3要素

お客さんは演奏を聴きに来られますから、ホールに来てアンケートを書くというのは予定にはないわけです。予定にないことをして頂くにはそれなりの環境が整っていることが必須条件です。また、アンケートの内容にも注意を払う必要があります。


アンケートに記入していただき、回収率をアップする大切な3要素が以下です。


①アンケート内容のクオリティ

②記入するための環境

③回収するための環境

これらです。

ひとつずつ解説します

①アンケート内容のクオリティ

アンケートを実施するからにはしっかりと次のコンサートに活かせる内容のものを準備しなければなりません。客層の把握やお客さんのニーズを読み取ることができるようなアンケートにしたいですね。

ですが、本当に役に立つアンケートを作るのは実はかなり難しいことのようです。
例えば、


Q演奏会全体の評価をお願いします。

1満足  2普通  3不満


というのがあったとしたら、3に○をつける人は少ないです。中高生が一所懸命演奏をしたら、段取りの悪いところや至らないところがたくさんあっても日本人は気を遣って1や2に○をするからです。さらに、1に○がたくさんついていても具体的にどこが良かったかは分からないんですね。

ですから、他の質問で補足してもらうのもいいですが、そもそもこの質問の是非を考えたとき、絶対に必要!とは言いにくいです・・・。


長い前置きになりましたが、ではどのようなアンケートを作成すればいいのか、考えてみます。


ー・年齢、性別
まず必要なのが、性別・年齢ですね。これは客層を把握するために要ります。年齢・性別くらいならわざわざ偽る人もいませんから、正確なデータが得られます。記述式ではなく、選択式にしましょう。お客さんは記述式を嫌う傾向にあります。


(男性・女性)

0)10歳以下 1)10代 2)20代 3)30代  ・・・・・・


のようにした方がいいです。なぜ記述式を嫌うか、それは面倒だからです。上記のような、選択式でカバーできるところは選択式でいきましょう。


ー・何でコンサートを知ったか
これは集客・宣伝方法の、どの手法が最も役に立っているかを知ることができます。
選択肢は次のようなものですね。


1)ポスター・チラシ 2)新聞記事 3)インターネット 4)知人の勧め
5)部員の勧め6)その他(    )


などです。他にも実践した宣伝手法があれば選択肢に入れましょう。仮に1)のポスター・チラシに最も多く○がついていたら、次回からさらに増刷して強化すればいいですし、○の少ないものはそのやり方を改善することもできます。

例えば、インターネットならクラブのホームページに日時等の概要だけでなく、演奏曲目を細かく載せたり、他の団体のホームページにも宣伝文を載せてもらうなど、わかりやすくする・範囲を広げる等の改善策を練ることができます。


ー・このコンサートは何回目?
リピーター・初めての方はそれぞれ何人かを知ることができます。これは次につなげるというよりは現状を知るという側面の方が強いですね。リピーターになるかどうかはお客さん次第ですから、この数字はあまり気にすることはないように思います。また、保護者なら大抵3年連続でくるでしょうし、純粋にリピーターになった方の数字を得ることは難しいので、この質問はあってもなくてもどちらでもいいでしょう。

これも選択式で

1)初めて 2)2回目 3)3回目 ・・・・・・

のようにするといいと思います。


ー・楽器の経験は?
これも調査したからどうということはないのですが、お客さんの何割が楽器経験者かを知ることで、選曲に活かすことができますね。この割合が多かったら、吹奏楽経験者なら誰でも知っている曲をすると受けやすいですし、少なかったらポップスものを入れるなどの微調整が出来ると思います。

これは記述式にしてもいいかもしれません。というのは先程から選択式選択式と選択式を推しているのですが、あまり選択式を多くすると紙が足りなくなりますから、これに関しては( )をひとつ置いておくだけでいいでしょう。あと、「現在もしている・過去にしていた、どちらでも構いません」の文言も足しておきましょう。



客観的事実を選択・記入してもらう質問はこんなところでしょうか。次は演奏や企画の感想に関する質問に入ります。

●最小限の質問で最大限の効果が得られる質問・形式に

せっかくいくつも質問し、丁寧に回答してくれるお客さんがいるのに、あとで読み返すと「どう集計していいのかわからない」、「どう参考にしていいのかわからない」というのは避けたいですね。

ということで、まずは「何を聞き出したいか?」を明確にしましょう。

どこの団体でもあまり変わらないとは思います。だいたい、印象に残った曲、印象に残らなかった曲、良かった演出、不満だった演出等ですよね。

質問の形式ですが、これは選択式にしましょうか。曲のタイトルを並べていくと結構スペースを取るかもしれませんが、とにかくお客さんは記述を嫌う傾向にありますから、できる限り選択してもらうようにしましょう。

Q印象に残った曲には○、残らなかった曲には△をつけてください。(いくつでも構いません)


1部
1)コンサートマーチ「ジョイフルポケット」 2)ジャパニーズグラフィティ●● 3)アルメニアンダンスパート1

2部
4)ワイルドアットハート 5)カルミナ・ブラーナ 6)三つの交響的素描「海」より
3部
7)●●●● 8)△△△△ 9)・・・・・・


みたいに選択肢を並べておいて選択してもらいましょう。ちなみに上記の曲目は今私が思いついたテキトーなものです。

これによってどういう曲がお客さんに好まれるかが分かりますので、次回の選曲の参考になります。

選択式選択式と選択式をおしてきましたが、お客さんがコンサートで何を感じたかは一人ひとり違うので、自由記述欄も設けましょう。


Qコンサートを通しての感想をご記入ください。(●●が特によかった、●●はもう少し練習したほうがいい、顧問・部員へのメッセージなど)

(          )



最後にお客さんに要望を記入してもらう枠も作っておきましょう。


Qコンサートについて要望があればご記入ください。(会場・開演時間、ホールの場所、こんな曲をしてほしいなど)

(          )



①アンケート内容のクオリティ、はここまでです。いろいろ調べながら書きましたが、なかなか難しいですね。もっといい方法もあるかもしれません。いろいろ調べて実践してみてください。

②記入するための環境

せっかく良質なアンケートを作成できても記入してもらえなければ意味がありません。お客さんが記入するための環境について大切なことは以下の2つ


1終演までに記入する時間があるか

2記入するためのペン

3記入のしやすさ


ではこれも1つずつ見ていきます。


1、終演までに記入する時間があるか

基本的に15~20分の休憩時間に記入してもらうことになると思いますが、お客さんはもともとアンケートを記入するというのは予定にありませんから、休憩時間になったらお手洗いに行く以外に友人同士で喋ったり携帯電話をいじったりなどの行動をとります。そうなるとアンケートに記入してもらえなくなりますから、休憩に入る前には「アンケートにご協力ください」とアナウンスを流しておきましょう。


これ、影アナでもいいですができれば舞台に立つ司会の人がお願いしたほうがいいです。そもそもお願いするわけですから、顔が見えてたほうがいいに決まっていますし、生徒からお客さん全体に言ったほうが「書いてやるか」という気が起きやすいです。


このとき、「選択欄だけでも構いません」と付け加えておきますと、面倒くさい人の記入率も少しは上がります。


休憩時間にアンケートを記入してもらわないと、お客さんにとってはアンケートを書く時間がなかった同然ですから、しっかりお願いするようにしましょう。


2、記入するためのペン

過去に私が見に行ったことのある中学校の吹奏楽部のコンサートではプログラムに挟んでアンケートを渡すものの鉛筆がついてきていませんでした。帰り際に回収箱の横に鉛筆の入った箱がありましたが、それでは回収率は上がりません。

コンサートが終わればもうお客さんは帰るだけですからね。既に活用している団体もたくさんあるとは思いますが、ここで活躍するのがペグシルです。

名前は聞き慣れないかもしれませんが、見ればすぐに分かります。


            


これがペグシルです。

準備するには少々お金がかかりますが、アンケートの回収率が上がると思えば安いものです。


3、記入のしやすさ

ペンに関しては上記のペグシルでいいのですが、紙がふにゃふにゃだと結構書きにくいです。かと言って下敷きを配布するか・・・?というとそういうわけにもいきませんよね。


これは・・・仕方ないです。他のコンサートや舞台の宣伝チラシを一緒に折り込めば少しは厚さが増しますが、まぁペグシルさえ渡しておけば書いてもらえるでしょう。なんか・・・すみませんm(。・ε・。)mスイマソ-ン


②記入するための環境、はここまでです。大事なのはペグシルを一緒に渡すのと司会・アナウンスで記入を促すことです。

③回収するための環境

せっかく良質なアンケートを作成でき、かつ記入してもらえても回収できなければ意味がありません。

ほとんどの団体は終演後、ロビーやホワイエで回収すると思います。それで問題ありません。

回収の仕方ですが、手渡しでもらうか箱に入れてもらうようにしましょう。人が多くて混雑するようなら箱を複数設置しておいて、入れてもらうほうがスムーズにお帰りいただけるかもしれませんね。


回収箱を設置する場合は必ずその前に人がいるようにしてください。

「アンケートの回収にご協力お願いします」と言う人です。書くだけ書かせておいて「あとは帰り際に箱に入れといてよ」では失礼ですからね。その際もコンサート関係者がお願いするようにしましょう。

●おわりに

以上がコンサートのアンケート回収率を上げる方法になります。
思いの外長くなってしまい、記事を分けたらよかったと後悔しております・・・(´Д`;)ヾ ドウモスミマセン


おそらくアンケートのようなパソコンで作成して準備するものは部員はノータッチというところも多いのではないでしょうか。しかし、自分たちに直接返ってくるものですから、次のコンサートではこれもじっくり部員が考えてみてはどうでしょうか。

アンケートの内容も毎回同じものを使いまわすのではなく、常にお客さんにとっても自分たちにとっても良質なものとなるように改善していくことがより良いコンサートにしていく秘訣のひとつだと思います。


なにかひとつでも参考になりますように。

今回は長くなってしまい申し訳ありません。

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